それでは前回のコラムでお話しした、発声の基本中の基本である「声の通り道から障害物を取り除く」を説明させていただきます。
このトレーニングは共鳴トレーニングの基礎になると同時に、声帯を適切にコントロールしやすくしてくれるのでとても重要な項目になります。
まずみなさんに「声の通り道」を確認してもらいましょう。
大きく口を空け、「ハァー」とアクビをする前のようにゆっくり大量の息を吸い込んでください。
口の中、喉の中など空気が流れヒンヤリする部分がありますよね。
次に口を閉じて鼻からゆっくり大量の息を吸い込んで下さい。
鼻腔(鼻の中)から口腔にかけて空気が流れひんやりする所がありますよね。
その空気が流れヒンヤリしている空間全てが声の通り道になります。
その空間全てを通って声があなたの体から外の世界へ出ていっているのです。
という事は、その声の通り道の途中に障害物があればまるで口を手で塞いで歌っているように声はこもり、音量も小さくなっていきます。
そんな状態の中、声量を大きくしようと力づくで頑張っても中々声の音量が上がらないばかりか、声帯に無理なストレスを与えてしまうのでコントロールする事が難しなり、すぐに声が枯れてしまうのです。
・声量が出ない
・声がこもってしまう
・声に厚みがない
・声が安定しない
・すぐに声が枯れてしまう。
などの症状をお持ちの方はまずはこの問題を解決していきましょう。
では、その声の通り道を邪魔する物は何か?
これは大きく分けて
1,鼻腔・喉の周辺の筋肉
2,喉仏
3,舌
4,上顎(柔口蓋←なんこうがい、口蓋垂←こうがいすい)
の4つになります。
この4つの内どれか、もしくは全てが声の通り道を塞いでしまってり、無駄な力を入れて強いテンションをかけてしまう事により発声に大きな影響を与えてしまうのです。
なので、高度な発声法を学ぶ前に下地として、これらをきちんとコントロールできるようトレーニングをする事が非常に重要になります。
次回のコラムでは、より詳細な説明とそれらを解消するトレーニングを紹介させていただきますね!
1982年(昭和57年生まれ)
アーティスト活動を続ける中、日本・海外流問わず様々なジャンルのボイストレーニングを習得する。
その後、日本では最大数のボイストレーナーを抱える大手ボーカルスクールの統括として働き、現場で生徒さんにボイストレーニングを教えるボイストレーナーへの指導も行う。
今まで指導してきた生徒数は300人を超える。