今回は前回のコラムに引続き、ボイストレーナーの視点から「ボイストレーニングを行う上での注意点」の続きを書かせていただきます。
歌を上達させる上で最も効果的な練習時間なのですが、これは本来あなたが持って生まれた声帯の強さや発声のレベルにも関係しますので目安として受け止めてください。
まずは、趣味で歌を楽しみたい方の場合です。
その中でも歌のトレーニングにしっかり時間を確保できる方は、毎日45分~1時間程度をお勧めします。
このぐらいの練習時間であれば、正しい方法でトレーニングをしている限り声帯を傷つける可能性は低いですし、上達のスピードも速くなります。
もし、これぐらいの時間を確保できない方の場合は1日15~30分程度の練習、もしくは2日、3日に1日30分~45分程度が目安ですね。
ご自宅で歌う環境がない方はカラオケ屋を利用したり、
(※私も昔は毎日、1人でカラオケ屋に行ったり河川敷に行ったりして練習していました。)
お風呂に入っている時などの時間を有効利用して下さい。
もし、これより少ない時間しか確保できなくてもご安心下さい!
大切なのは定期的にトレーニングをする習慣です。
無理のない程度の時間でトレーニングをしていただいても歌は着実に上達していきます。
そして、プロのアーティストを目指していたり、趣味でもガッチリ歌を上達させたい人の場合です。
目安の時間としては、1日1時間~1時間30分の間が妥当だと思います。
(前回のコラムでも書きましたが細目に休憩は入れて下さいね)
ただ長時間練習する場合はみなさんの生活環境や声帯の強さにも影響が出てくるので注意が必要です。
詳しく説明させていただきます。
声帯というのは歌をうたう以外にもダメージを受けてしまいます。
バイトやお仕事の関係上、声を頻繁に使う職業に就かれている方は歌をうたっていなくても声帯がどんどん消耗していくのです。
声を頻繁に使う職業というのは、特別な職業だけではありません。
居酒屋や普通の接客業・コールセンターの仕事。
イメージとしては単純に声を発する回数が多ければそれに該当します。
このような職業や環境にいらっしゃる方は声帯が常に消耗している状態なので、ボイストレーニングを習いたての場合はあまり長時間練習する事をお勧めしません。
みなさんがイメージしやすいように
具体的な練習時間や方法の目安として私のケースを紹介しておきましょう。
まずは、ウォーミングアップに15分使います。
そして5分休憩を入れる。
次に30分ほど低音域から中音域のボイストレーニングを行います。
そして15分休憩を入れる
次に高音域の練習を15分~30分行います。
そして5分休憩を入れる。
残りの時間で全体的な練習、または曲の練習をします。
様々な時間配分を試してみたのですがこれが声帯の状態を正常に保つ練習方法だと思います。
また、毎日長時間ボイストレーニングをされる方は必ず休息日をいれて声帯を休めて下さい。
ご自身の声帯の状態を確認しながら週に1、2日は休みを入れる事をお勧めします。
次回のコラムでは、実際に練習をする時の注意点を書かせていただきますので楽しみにしていてくださいね!
1982年(昭和57年生まれ)
アーティスト活動を続ける中、日本・海外流問わず様々なジャンルのボイストレーニングを習得する。
その後、日本では最大数のボイストレーナーを抱える大手ボーカルスクールの統括として働き、現場で生徒さんにボイストレーニングを教えるボイストレーナーへの指導も行う。
今まで指導してきた生徒数は300人を超える。