今回も前回に引き続き、声の通り道を邪魔する
1,鼻腔・喉の周辺の筋肉
2,喉仏
3,舌
4,上顎(柔口蓋←なんこうがい、口蓋垂←こうがいすい)
の内の「4,上顎(柔口蓋←なんこうがい、口蓋垂←こうがいすい)」の説明をさせていただきます。
「柔口蓋(なんこうがい)」、「口蓋垂(こうがいすい)」と聞くと耳馴染みがないと思いますので、まずは説明からさせていただきます。
「柔口蓋(なんこうがい)」は鼻と口が繋がっている所。
風邪を引いた時に鼻水が垂れてくるブヨブヨした所です。
「口蓋垂(こうがいすい)」はいわゆる「のどちんこ」の事です。
この2つを上に引っ張り上げて口腔の広さを縦に広げるのです。
この2つを上にひっぱり上げると聞くと、中々イメージがつかないと思うのですが、釣りをしている人がいて、自分の後ろ上から釣針をたらしその2つにひっかかり、「グイ、グイ」っと上に釣り上げられているのをイメージしてみてください。
このイメージでピンと来ない方は、鏡で自分の口腔を確認しながらアクビをする時のように大量に息を吸い込んで下さい。
その時に「柔口蓋(なんこうがい)」、「口蓋垂(こうがいすい)」が自然に上がりますので、まずはそれで感覚を掴むのも一つの手段です。
このトレーニングでまずは感覚を掴み、自由自在に「柔口蓋(なんこうがい)」、「口蓋垂(こうがいすい)」を上下できるまで頑張ってみて下さい。
しかし、最初にこの指導をするとほとんどの方は
「そんな事できる気がしません!」
と思うのですが、しっかりトレーニングをすれば1ヶ月もするとみなさんキレイに引き上げています。
騙されたと思って、鏡をみながら
「柔口蓋(なんこうがい)」、
「口蓋垂(こうがいすい)」を上げる練習をしてみてください。
この2つが引きあがると、口腔や鼻腔に歌声が共鳴しやすくなり、迫力のある歌声の土台が作れる上に、ミックスボイス・ヘッドボイスもやりやすくなるので高音発声にも大きな影響を与えます!
ただ他のボイストレーニングにも言える事なのですが、最初はフォームを意識して作らないといけないので余計な力が入ってしまうのは仕方ないのですが、 だんだんと慣れてきたら、徐々に力を抜き無駄な力を入れる事なく「柔口蓋(なんこうがい)」、「口蓋垂(こうがいすい)」を上げるように心がけて下さい。
どのボイストレーニングにも共通して言えるのですが、フォームを意識しすぎて過度に力を入れ過ぎは禁物です。
適度で自然な感じで動作を行えるように意識していきましょう。
1982年(昭和57年生まれ)
アーティスト活動を続ける中、日本・海外流問わず様々なジャンルのボイストレーニングを習得する。
その後、日本では最大数のボイストレーナーを抱える大手ボーカルスクールの統括として働き、現場で生徒さんにボイストレーニングを教えるボイストレーナーへの指導も行う。
今まで指導してきた生徒数は300人を超える。