こんにちは、ボイストレーナーのKです。
今回はボイストレーナーをしていて、多くの生徒さんから質問される「チェストボイス」、「ミックスボイス」、「ヘッドボイス」について書かせていただければと思います。
「チェストボイス」、「ミックスボイス」、「ヘッドボイス」についてですが、多くの方が理解しにくく混乱してしまっている一番の原因が「ボイストレーナーによって意見が違う」というのが理由になっていると思います。
「チェストボイス」、「ミックスボイス」、「ヘッドボイス」ですがどのように意見が違うかと言いますと大きく分けて
1、声を共鳴させる位置によって判別する
2、声帯の使い方によって判別する
この2つの要素のどちらかを強調して主張しているボイストレーナーがいらっしゃいます。
ちなみに私は「音程により発声方法を変える」という立場を取っており、共鳴させる位置・声帯の使い方両方の要素が重要であると考えています。
なので、その両方の角度から説明を進めさせていただこうと思います。
「チェストボイス」、「ミックスボイス」、「ヘッドボイス」ですが、大きな括りで説明すると、
低音部分で使うのが「チェストボイス」
中高音域で使うのが「ミックスボイス」
高音域で使うのが「ヘッドボイス」
となります。
個人差があるので大体の目安での音程で説明させていただきます。
※音階名が分からない方はスマートフォンの鍵盤アプリに書いてありましたのでそれを参考にしてみて下さい。
アンドロイドの方⇒パーフェクトピアノ
アイフォンの方⇒Vituoso
男性の場合は
A3から下がチェストボイス
そして、A3からE4までの間でミックスボイスの要素を追加していき、E4からミックスボイスに切り替えてA4まで使います。
そしてA4以上の音はヘッドボイスを使います。
女性の場合は
D5から下がチェストボイス
そして、D5からA5までの間でミックスボイスの要素を追加していき、A5からミックスボイスに切り替えてC6まで使います。
そしてC6以上の音はヘッドボイスを使います。
こう説明すると、ミックスボイスの重要性は使う音域の多い男性の方が大きいように思うかもしれませんがそれは違います。
詳しくは別のコラムで説明しますが女性においても低音域から高音域まで自由自在に歌う為にはミックスボイスの習得は必要不可欠なのです。
この様に出す音の高さによって「チェストボイス」、「ミックスボイス」、「ヘッドボイス」と切り替えていく事により高い声も低い声も自由自在に歌う事ができるようになるのです。
反対に言えば、現在高い声が出ない、もしくは出にくいという方は本来「ミックスボイス」や「ヘッドボイス」で歌わないといけない音を「チェストボイス」のままで歌ってしまっているケースが非常に多いです。
という事は、「ミックスボイス」や「ヘッドボイス」を身につければ高い声で歌う事が可能になるという事です。
また違うケースで言えば、高い音はおろか、低い音でも声量が出ない・迫力のある声が出せないという方は本来「チェストボイス」や「ミックスボイス」で歌わないといけない所を全て「ヘッドボイス」で歌ってしまっている可能性があります。
という事は、こういう方は「チェストボイス」「ミックスボイス」を身につける必要があるという事です。
今はイメージを掴んでいただく為に簡単に説明しましたが、厳密に言うとこの「チェストボイス」、「ミックスボイス」、「ヘッドボイス」を自由自在に使いこなす為には様々な要素があります。
しかし、一度に多く説明すると混乱してしまう方も多いので今は
「ふ~ん、音の高さによって発声の仕方を変えないといけないんだ~」とだけ理解していただければ大丈夫です。
みなさんの理解度が深まっていくにつれ、詳しい説明を随時書いていきたいと思います。
それでは、それぞれの詳しい説明や特徴・トレーニング方法は
次回以降の記事で書かせていただきますので
楽しみにしていてください!
1982年(昭和57年生まれ)
アーティスト活動を続ける中、日本・海外流問わず様々なジャンルのボイストレーニングを習得する。
その後、日本では最大数のボイストレーナーを抱える大手ボーカルスクールの統括として働き、現場で生徒さんにボイストレーニングを教えるボイストレーナーへの指導も行う。
今まで指導してきた生徒数は300人を超える。