こんにちは、ボイストレーナーのKです。
今回のコラムは前回の「声帯の閉鎖加減とブレス(息)の変換具合」の知識を元に進めさせていただきますので、まだ読まれていない方は確認してみてください!
では「ハリのある歌声を作る発声」の説明からさせていただきます。
前々回のコラム「アーティストから見る発声方法の違い」でも書かせていただいたのですが、男性アーティストの場合はB'zの稲葉さん、ミスチルの桜井さん、女性アーティストの場合は椎名林檎さん、SUPER FLYさんの歌声を連想していただければ理解しやすいと思います。
この「ハリのある歌声を作る発声」は低音でも、高音でも
声帯の2枚の襞(ひだ)の閉鎖加減を強めて発声します。
そして、肺から送られてブレス(息)のほとんどを声に変換しています。
声の特徴としては、高音になればなるほど声が明るくなっていくのと同時に迫力のある声になっていきます。
そして、声帯が閉鎖した時に出る特有の音なのですがエッジ音が出てくるのも特徴的です。
次に「丸みを帯びたまろやかな発声」を説明させていただきます。
こちらはEXILEのATSUSHIさん、平井堅さん、女性アーティストの場合は宇多田ヒカルさんの歌声を連想していただければ理解しやすいと思います。
この「丸みを帯びたまろやかな発声」は裏声(ファルセット)まではいかないのですが、
声帯の2枚の襞(ひだ)の閉鎖加減をゆるめて発声します。
そして、肺から送られてブレス(息)の一部をブレス(息)のままで残し歌声に含ませて発声します。
声の特徴としては、低音でも高音でも同じ雰囲気・音圧の歌声を保ち、ウィスパーボイス(吐息まじりの声)に近い歌声が特徴的です。
どちらの声がいいか悪いかは判断する必要なく、洋楽・邦楽問わず、様々なジャンルで両方の発声方法が使われています。
あなたはどちらの発声方法の方が得意か?を正確に把握し、それぞれの長所を伸ばすようなトレーニングを積み歌を向上させていければいいですね!
1982年(昭和57年生まれ)
アーティスト活動を続ける中、日本・海外流問わず様々なジャンルのボイストレーニングを習得する。
その後、日本では最大数のボイストレーナーを抱える大手ボーカルスクールの統括として働き、現場で生徒さんにボイストレーニングを教えるボイストレーナーへの指導も行う。
今まで指導してきた生徒数は300人を超える。